2016/05/14

病院は介護労働者の誇りを奪うな!|草津病院支部


4/22団交報告②

同僚が仕事を教えるのが「初期研修制度」?!
介護は初心者がいきなりやれる仕事ではない
病院は介護労働者の誇りを奪うな!

『医療の現場』No.106
2016/5/14
草津病院支部

 組合は、去る4月22日、1病棟のK組合員への不当解雇問題で病院と団体交渉を行いました。求人票には6か月契約と明示されていたにもかかわらず、実際は1か月の期間雇用契約を結ばされ、病棟へ配属されたKさんは、雇用期限終了のわずか2日前に「首切り」を通告されました。
介護労働者を志し、初任者研修を終了して採用され、「さあ、職場でがんばろう」と考えていた矢先の解雇でした。組合は、「1人の仲間も見捨てない」「正規・非正規の壁を越えて」という合言葉の下、組合員が一致団結して、すべての職場の労働者を非正規雇用に突き落とし、好き勝手に首を切ろうとする資本家=草津病院理事会の悪らつな手口を、組合の団結の力で暴き出しました。
以下はその4・22団交の第2回報告です。

●現場の同僚が仕事を教えることが「初期研修制度」と強弁!

【組合】求人票にあるような「初期研修制度」はないではないか、これでは「振り込め詐欺」同じだ。
【病院】今回については、現場の同僚が教えたはず。(同僚の)金光さんが指導していた。
【組合】それは、たまたま見かねてのことだろう。制度、システムとして初心者に介護の業務を指導するプログラムはないのか、おかしいのではないか。プリセプター(指導担当者)は付けないのか?
【病院】プリセプターは現在、確認してない。かつてあったとか昔のことはわからない。
    かっちりしたものがないのがうちの(初期研修)制度だ。
【組合】今回は初心者に対する研修は行ったのか
【病院】やってない。
【組合】現場の人員で人に教える(教育)などやれるはずがない。人員は足りてない!
【病院】研修をやれる人員は現場にいる。足りている。基準にてらして不足はない。
【病院】組合員の介護労働者が言うには、「日勤を理解できるまでに3ヵ月、夜勤に入って始めて1日の病棟業務を理解する。そして、それに習熟するのには1年はかかる」と言っている。「鍵の取り扱い」や「職務に対する理解」は、研修をやらないと、実際に理解できないことだ。(その習熟の期間が)1ヵ月とは無茶苦茶なことだは思わないのか。
【病院】研修しても経験知は上がらない。何もかもやれるには1年、それはそうだろう。そういう経験知がないという問題ではなく、今回の場合は注意力散漫です。普通それだけで更新しないのではないですか。
【組合】それなら、なおさら初心者も募集しているのだから、経営には閉鎖病棟における施錠の重要性を指導する責任が、あるのではないか。このような状態で閉鎖病棟を運営すること自体の責任が経営にはある。安全問題そのもの。過去に閉鎖病棟から出て、踏切事故が起きてしまった事件が少なからずあるではないか。労働者や利用者・家族に責任はない。
【病院】事故?いつのことか、具体的に言ってほしいものだ。
【組合】かつて、真保が働いていた頃は、かなりキッチリとした研修や指導があり、新人の指導には指導者が決められて、マンツ−マンで指導を受けたし、真保も指導をしたことがある。プリセプター制度などもちゃんとあった。なぜ今はやっていないのか。指導や教育をするつもりなら、1ヵ月雇用はあり得ない。

●病院は、介護労働をなめるな!

以上、怒りなしには読むことはできないと思います。開きなおり、強弁に開いた口がふさがりません!介護労働をなめるのにも程がある!介護労働は知識と実地の経験の積み重ねが重要です。人を相手にする仕事であり誇りを持って行うべき労働なのです。
 かつてのように、病院で看護師や介護職員を養成していくような発想は微塵もありません。初心者を職員として採用して、研修や教育もなしに過酷な現場に投げ出し、事故や事件が起これば、一切は『自己責任』として、すべてを現場の労働者に押しつけていく。まさに「よってきんさい古江(グループホーム)」での転落死亡事故の責任を一人夜勤の介護労働者に擦り付けたやり方とまったく同じです。本当に「煮て食おうが焼いて食おうが自由」にされています。

●病院が職場に責任を取れないのなら、一切を労働者に任せろ!

現場の労働者が、人員不足の中で、系統的に業務を初心者に教えることなど不可能です。自らの業務ですら、手一杯な状況では、他の職員の業務まで気を配ることはできないからです。この中で、職員間の分断・不信が生み出され、団結が破壊され、安全が崩壊していきます。
 こんな無責任な理事会は、もう要らない!職場の一切の業務は、職員で運営できます。職場の安全や職員と利用者の命と生活に、経営者が責任を取らないのなら、労働者に職場と業務をよこせ!労働者にまかせろ、ということではないですか!
 今や、草津病院は職場の安全や労働者の教育に何の責任も取らず、すべてを現場の労働者に丸投げしています。この中で、現場で一生懸命に仕事を教えた人が、1か月や3か月で経営の勝手で首にされてしまうのです。本当に現場の労働者を何だと思っているのでしょうか!
 結局、「命よりカネ」の利潤第一の考え方を押し通して、病院の経営が生き残ればそれでよい、病院経営はビジネスだ!とばかりに利潤追求に走りだしています。それが、病棟大再編=救急病院化であり、その施策の柱が職員の外注化・総非正規職化です。絶対に認められません。
 今回、総非正規職化の端緒で、病院の手口を暴いたことは決定的です。すべての草津病院で働く仲間は、怒りを爆発させて組合に加入し、共に闘い、命と暮らしを守ろう!

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